2013年自然科学書フェア(札幌)の報告

会場:紀伊國屋書店 札幌本店(北海道札幌市)
日時:2013年6月1日(土)~6月30日(日)
備考:ブックハンティングに関連する札幌近郊の大学図書館の蔵書調査。


自然科学書フェアを終えて

 自然科学書フェアの企画を戴いた時、真っ先に思い浮かんだのは『一般読者も読める自然科学書を主旨にしよう』でした。
 紀伊國屋書店札幌本店は、常に、【専門書を中心としたアカデミックな読者層をターゲットとした戦略】を意識しています。近隣に北海道大学が控えており、弊社営業部のお得意先からの要求も多種多様であることが、戦略を決める大きな要因となっています。
 また、店舗のイベントとして「北大サイエンスカフェ」、「北大人文学カフェ」、「室大テクノカフェ」、「東海大学ヒューマンカフェ」等も定期的に開催しています。
 棚では、自然科学書はもちろん、医学看護書、法律、経済経営、人文書等々の需要も多く、常に死筋在庫と活きた流通在庫の入れ替えを行っています。また、教養新書も首都圏店舗にも勝る需要が多いのには驚きます。
 今回、自然科学書協会加盟の47会員社様のご協力で約1,500冊の出品を頂きました。さらに、協会のご尽力により期中3回の「サイエンスカフェ」の開催に漕ぎ着けました。
 『どうしてモノは壊れるのか』、『「中山久蔵」から「ゆめぴりか」』、『北海道の新しい狩猟文化』と様々なテーマでありましたが、その内容は決して難解ではなく、より身近な内容で90分の講演時間がアッと言う間に終了し、聴衆者も満足気でした。
 専門書は専門書の売場に固執することなく、まだまだ一般読者へ自然科学書を売り込めるチャンスがあることを確認しました。

(株)紀伊國屋書店 札幌本店 金井和明