自然科学書協会タイトル

 一般社団法人 自然科学書協会 
謹 賀 新 年
~2015年年頭に当たってのご挨拶~


一般社団法人 自然科学書協会
理事長 金原 優 

理事長 金原 優

 2015年を迎え、出版関係各位、また読者・執筆者の先生方におかれましては気持を新たにそれぞれの目標に向かって活動を開始されたことと思います。専門書出版を取り巻く環境には依然として厳しいものがありますが、自然科学書協会会員社は、日本が科学立国として成長し続けるために必要な情報を今年も継続して研究者の先生方にお届けするとともに、次世代の研究者を育成するために必要な専門領域の教科書ならびに参考書を発行して参ります。引き続き当協会ならびに会員社に対してご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 本年1月から改正施行された著作権法によって電子出版権が制定されました。自然科学系の専門書誌の発行と流通には電子配信は不可欠です。専門情報を幅広くかつ迅速に流通させ、更に読者が多くの専門情報からそれぞれが求める情報を的確に探し出し利用するためには電子配信とその検索システムを十分機能させることが重要です。電子出版権は電子配信されるコンテンツの著作権と出版権を保護し、著作者と出版者双方の権利を確保する上で重要な制度です。この電子出版権が専門情報の電子流通を促進することは勿論ですが、その前提となるのは著作者と出版者が連携して情報を電子化して読者に配信することを更に積極的に進めることです。当協会としてもそのために必要な研究を続け、関係機関、団体等への働きかけを行って参ります。
 当協会は今年も販売・出展、著作・出版権、研修、広報、総務の各委員会ならびに税制・再販流通特別委員会の委員会を活性化させ、専門書に特有の問題に対して積極的に取り組んで参ります。具体的には、国内外で開催される各種のブックフェアにおける出版物展示ならびに全国主要書店と共催で開催する展示会の開催、出版物の複写・複製ならびに著作権制度や侵害問題への取組み、自然科学領域における一般読者向けの講演会やセミナーならびに読者が気軽に参加できる書店店頭におけるサイエンスカフェ等の企画と運営等を行って参ります。今年10月に予定されていた消費税率の変更は先送りとなることが決まりましたが、当協会としても消費税の目的を再認識し、税の公平な負担を考慮した制度となることを念頭に検討を継続します。特に、出版物への軽減税率適用問題、非課税商品との整合性、公共的資金によって購入される比率の高い専門書に対する税金のあり方等について検討を加え、科学技術情報の出版にかかる消費税に対する適切な制度作りを目指して活動を展開して参ります。
 自然科学情報に国境や地域性はありません。世界の科学者が情報を共有し、お互いが利用し合うと同時に研究成果を積み重ねていく必要があります。日本は世界でも珍しいローカル言語によって自然科学情報が流通している国です。勿論これにはメリットもありますがデメリットもあります。日本の研究成果が日本国内でしか流通しないのは日本の研究者にとってマイナスですが、それは同時に日本の出版社にとってもマイナスです。当協会もそろそろ世界に目を向け、日本の科学技術情報の発信者としての役割を果たすことも考えていかなければなりません。
 当協会は2016年に創立70周年を迎えます。70年の歴史は日本の科学技術のレベルが発展した歴史とほぼ一致しています。今後もその責任を自覚し、専門情報の流通に最大限の努力を重ねる所存です。関係各位のご指導とご協力をお願い申し上げます。




         

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