自然科学書協会タイトル

 一般社団法人 自然科学書協会 
第65期・66期 理事長就任のご挨拶


一般社団法人 自然科学書協会
理事長 金原 優 


理事長 金原 優

 過日開催された自然科学書協会の総会・理事会において理事長に再任され、理事長として2期目を務めることになりました。一般書・専門書を問わず様々な課題を抱えている出版界ですが、自然科学書協会は日本書籍出版協会その他の出版関連団体と連携し、問題の解決に向けて努力を重ねる所存です。会員各位ならびに業界、関係団体のご指導とご協力をお願い申し上げます。
 2年前に理事長に就任して以来、いくつかの問題に取り組んで参りました。従来からの販売・出展活動、読者を対象とした講演会・サイエンスカフェ等の開催に加え、とりわけ昨年は消費税率の変更に伴う書店店頭転嫁問題、定期購読雑誌の年間購読料課税に対して協会として必要な対応を行いました。著作権問題としては今年4月から導入された電子出版権の創設に対応する出版契約書ひな形を日本医書出版協会の協力で改訂しました。
 協会運営上ではこれまでの理事長1名・専務理事1名・常務理事5名という役付理事体制を、理事長1名・副理事長2名という体制に変更しました。並行して理事数もこれまでの15名以上20名以内から10名以上15名以内に変更し、協会運営の負担を軽減しました。
 今期も販売・出展、著作・出版権、研修、広報、総務の各常設委員会ならびに税制・再販流通特別委員会を設置し、基本的にはこれまでと同様の活動を展開する予定です。
 販売・出展委員会は国内、国外で開催されるブックフェアにおける出版物展示、ならびに全国主要書店と共催で展示活動を行い、自然科学書の流通促進を目指します。著作・出版権委員会は今年創設された電子出版権の設定による電子出版の促進、権利侵害に対する対応等に加え、現在文化庁、政府与党において検討されている教育目的利用における権利制限の拡大、権利制限の一般規定(いわゆるフェアユース規定)等に向けて専門書出版者としての立場を明確にし、安易な権利制限にならないよう慎重に対応したいと思います。税制・再販流通特別委員会では2017年4月に予定されている消費税10%への変更に伴う流通上の諸問題に加え、出版物に対する軽減税率適用問題に対して取り組みます。出版物に対する軽減税率は世界の多くの国で採用されており、日本においても早晩採用することが求められる問題です。軽減税率が適用になるとした場合に起こりうる将来の消費税還付問題もありますが、消費税非課税とされている医療費、授業料等に対する仕入経費課税の税負担・税転嫁問題は専門書を発行する出版者としては直接の読者・利用者の予算削減につながる大きな問題として税負担の公平性の見地からも看過できない問題であり、関係団体・政府等に働きかけなければならない問題であると認識しています。
 当協会は来年創立70年を迎えます。この節目にこれまでの活動を振り返り、更に日本の科学技術の発展に貢献する理学・工学・農学・医学・家政学の五分野における専門書発行に努めて参ります。今日、日本の科学技術の研究レベルは世界の最先端にあり、今年生理学・医学賞、物理学賞の二分野で連続して日本人がノーベル賞受賞となったことはまさにこのことの表れです。その研究の礎になっているのは当協会会員者(社)が発行する出版物であることは言うまでもありません。今後も発展し続ける科学技術研究の一助となるよう当協会会員者(社)はそれぞれの立場で努力を重ねて参ります。引き続き関係各位のご支援を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

(「自然科学書協会 会報2015年 No.4」掲載)




         

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