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自然科学書協会講演会2014 開催報告


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会場風景

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来場者に挨拶をする金原理事長
小泉武夫 氏

 自然科学所協会講演会が、7月27日(日)、アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)にて開催されました。今回の講師は、発酵学の第一人者である東京農業大学名誉教授の小泉武夫氏。前月のうちに申込者が150名の定員数を超え、その人気と知名度の高さをうかがわせました(当日参加者数は111名)。
 当日は、当協会の金原優理事長の開会挨拶から始まり、小泉氏の講演「わが心に残る発酵食品」へ。「発酵仮面」「味覚人飛行物体」などの異名をもつ同氏が、これまで食べてきた世界各地の発酵食品をユーモアたっぷりに紹介しつつ、発酵にみる人間の知恵を語ってくれました。
 最初に「世界でもっとも珍しい発酵食品」と紹介したのが、石川県で江戸時代から作られてきた「ふぐの卵巣の糠漬け」。ふぐの卵巣には猛毒テトロドトキシンが含まれていますが、米糠に漬けることでこれが無毒化されるという「解毒発酵」の話でした。それを皮切りに、メコン川流域の「魚の浮き袋の塩辛」、中国の「40年ものの鯉の熟れずし」、グルジアの「チーズの塩辛」など、珍しい発酵食品の話題が続きました。中には、食べたこと自体をほめたくなるこんなものも。
「シュール・ストレミング」
 ニシンを缶内発酵させたスウェーデンの缶詰で、「世界一臭い食べ物」といわれています。臭さを数値化すると、焼いたくさやが2,500であるのにたいし、なんとこれは18,700! しかも、缶の中は炭酸ガスが充満しており、開缶時にドロドロの中身が勢いよく飛び出すので要注意。
「ホンオ・フェ」
 韓国の木浦市で食べられてきたエイの発酵食品。アンモニア臭が強烈な、世界最強の催涙性食物。日本における尾頭付きの鯛のように、結婚式などで出され、その量で格式が決まるのですが、毎年、食べて死ぬ人も何人かいるそうです。
「キビヤック」
 故・植村直己氏も大好物だったイヌイットの伝統食。アザラシの腹の中に海燕を羽根をつけたまま詰め込み、土の中で3年間発酵。取り出した海燕の肛門に口をつけて、ドロドロになった体液を吸います。強烈なにおいですが、これが病みつきになるそうです。
 笑いと驚き満載で、盛況のうちに終えた講演会。当日欠席が依然と多い課題も残りましたが、参加者の満足度は例年以上に高かったようです。来年以降も広報委員会では魅力的なテーマと講演者を準備し、より充実した講演会にしていきたいと思います。

(広報委員会 柴野 豊)




         

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