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 一般社団法人 自然科学書協会 
2012年「出版・印刷人の集い」報告


 2012年11月19日(月)に「出版・印刷人の 集い」(主催=東京都印刷工業組合出版メディア協議会、協賛= 一般社団法人出版梓会・一般社団法人自然科学書協会)が行われた。

 二部制に分かれており、第一部は日本出版会館で16時半から、酒井邦嘉氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)を講師に迎え、『脳を創る読書「紙の本」は終わったのか?』と題して、次のような講演内容で行われた。
 「脳を創る」ことの意味として、読書を通して、言葉の意味を補う「想像力」が自然に高まり、「考える力」が自然と身につく。さらにそのことは脳が変化し成長する。「紙の本」と「電子書籍」とでは、「紙の本」が持つページ数に対応した厚さや位置情報の手掛かりが記憶を助け、また画面の大きさに縛られない紙の本の利便性がある。また「電子書籍」は情報量・効率・経済性を追求する一方、個性や手掛かりに乏しい。電子書籍の波は一時的なもので、コピーが安易で横行し衰退は不可避である。一方紙の本を全頁コピーするのは手間やコストの面で容易ではない。紙の本の効用の科学的検証は十分に可能である。紙の本は出版社を中心に制作において印刷・紙・製本に携わる職人がおり、流通では取次・書店が存在し、書店から読者へのサービス提供へと発展する。また図書館でも本に触れる機会があり、「紙の本」を支える多様な出版文化が存在する。
 人間の言語能力を発達させるためには、「聴く・読む」の入力は適度に少なくし、想像力を育み、一方「話す・書く」の出力はできるだけ多くし、想像力を養うことが「人間らしい」創造的な言葉の生涯学習に適しているとのこと。

酒井邦嘉講師
酒井邦嘉講師

後藤理事長あいさつ
後藤理事長のあいさつ

 第二部の懇親会は18時より日本出版 クラブ会館で盛況に行われた。
 主催者を代表して東京都印刷工業組合出版メディア協議会の山岡景仁会長の挨拶があり、協賛側から出版梓会の菊池明郎理事長の挨拶と当協会の後藤武理事長の乾杯の音頭があった。その後は和やかな交流が図られた。
 参加者人数は主催者発表で163名。

(文責:広報委員会)



         

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